項目
はじめに |
( I ) 術前に行うべきこと |
( II ) 涙嚢鼻腔吻合術2弁法 |
涙嚢鼻腔吻合術2弁法(VIDEO) |
涙嚢鼻腔吻合術(マクロVIDEO) |
( I ) 術前に行うべきこと
必要な検査ポイント
・涙嚢造影
・眼窩単純CT
・涙嚢造影
上下涙点より十分量の造影剤(ウログラフィンR)を注入し、Waters’法と側面投影法で撮像する。Waters’法は仰臥位で行い、頭部を外嘴部外耳孔線(OM線)に対して35度程度後屈させる(図1,2)。この角度では、撮像の目標である涙道が最もフィルムと平行になり、また同じ部位に頭蓋内中央部の構築が重ならない。涙嚢より膿の逆流があるときには、特によく涙嚢をマッサージしながら洗浄して、涙嚢内に造影剤を充満させる。検査後には生理食塩水でよく洗浄する。

これにより鼻涙管上部から中部での閉塞を認めた場合、DCRの適応となる。
総涙点や鼻涙管下部での閉塞であれば、骨窓を作成せずにチューブ留置のみ行うことを検討する。

単純CT
全例において術前に施行すべきである。
骨窓を作成する部位の骨の厚みや、涙嚢窩と篩骨洞の位置関係の確認をし、占拠性病変による閉塞を除外する。図3,4に、術前後の単純CTと、骨窓と粘膜弁の位置を示す。


図3、4 術後単純CT 涙嚢粘膜(青破線)と鼻腔粘膜(赤破線)で吻合が形成されている。
手術準備
ポイント
○全身麻酔
○ドレーピングは鼻の穴を露出する
○鼻内にボスミンガーゼを詰める
ポイント
粘膜吻合における目標
○矩形で大きな粘膜弁を作成する
○骨窓をできるだけ粘膜で覆う