理論【眼瞼下垂の診断と手術適応】

診断のポイント

・上眼瞼縁と瞳孔の関係
・挙筋機能
・眼窩病変、上下斜視の除外
・重瞼線、眉毛の位置の観察

上眼瞼縁と瞳孔の関係

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a 正常

b 正常

c 軽度眼瞼下垂
上眼瞼縁が瞳孔領にかかる。瞳孔反射は保たれている。

d 高度眼瞼下垂
瞳孔反射が見えない。

本によっては、bを軽度眼瞼下垂とするものが多い。しかし瞳孔領にかかっていない限り臨床的意義はないと考えられる。
世の中、aのように眼のはっきりした人ばかりではない。筆者はbのような人に「あなたは眼瞼下垂です」と申し上げる勇気はない。

診断のポイント

上眼瞼縁とは、睫毛根が露出された状態で認められる瞼縁のことであり、上方から垂れ下がった皮膚の影響を除外する必要がある。一重瞼、顔面神経麻痺、老人性皮膚弛緩症に注意する。

一見して左眼瞼下垂のように見えるが、上眼瞼の皮膚のみを挙上すると瞼縁の位置が正常であるとわかる。一重瞼のため上眼瞼の皮膚が睫毛を内反させている病態であり、埋没法の適応である。

右眼瞼下垂のように見えるが、これも瞼縁の位置は正常であり、眼瞼下垂ではない。顔面神経麻痺による眼輪筋の麻痺・眉毛下垂である。治療は眉毛挙上術・皮膚切除術などである。

挙筋機能

眉毛を後方に押し付けて固定し、ペンライトにて上下方視をさせて上眼瞼縁の動きを観察する。定規の目盛りは瞳孔部の瞼縁にできるだけ近づける。
間違った例
1)眉毛を下方に押し下げすぎている
2)定規が瞼縁から離れている
3)指標としてペンライトを使わないため、正確な瞼縁部で計測されていない
4)上方視を口頭で指示するだけで指標を掲げず、十分に上方視させていない
5)瞳孔部より左右にずれて計測しているため低く見積もっている
6)正面視させて瞼裂の縦幅のみを計測して挙筋機能測定だと勘違いしている
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