眼形成手術手技 動画説明【眼球内容除去術】

【VIDEO コメント】
30年前ICCE。これまで何度も緑内障手術を繰り返され、10年前から光覚なしとなっていた。転倒したはずみに打撲して受傷。当日手術を施行。12mm径アクリルボールを挿入した。強膜は6-0ダクロンを、結膜は7-0デキソンを使用。

眼球内容をきれいに取り去ること、中に異物を入れるのでその前に血流の良い組織を持ってくることがポイントである。

眼内炎に対する眼球内容除去術です
角膜を温存し、眼球の横腹を開けて内容を交換する手術です。眼球運動が良好に保たれます。

手術時期

眼球破裂が明らかで、回復の見込みがないと診断したら、できるだけ早く施行する。

麻酔

基本的に全麻である。
その理由は、視神経を刺激したとき、人によっては光が見えたように錯覚を起こすことがあると言われている。その場合、術後いつまでも「回復する見込みのある眼を取られた」という気持ちが拭えないからである。
ただし術前から長期にわたって見えていない眼で、患者もよくわかっていると考えられる場合には局麻で問題はない。

充填物(義眼台)

シリコーンボール、アクリルボール、アパセラム、MedPorの12-14mm程度を用いる。
それがない場合は、シリコーンスポンジを丸めてダクロンで縫い縮めたもの、大量のサージセル、スポンゼル、肋軟骨を使用。
吸収される素材を用いる場合は、後部強膜に十分に切開を入れておき、眼窩の豊富な血流に触れさせることが必要である。
それも無理な場合は、強膜を頑丈に縫い縮めてしまってもよい。

強膜フラップの形成

角膜を除去し、視神経を円周状に切り離した状態から、前後方向に4本の切開を行う。
直筋には動脈があり、これがフラップを栄養することになるので、直筋と強膜のつながりを損傷しないようにしながらフラップをデザインする。強膜の切開を部分的に行ったり、視神経を切り離さない術式もあるが、一部がつながっていることで強膜への血流が非常に良くなるわけではなく、しかも強膜フラップの術中の可動性は著しく制限される。直筋により血流が保たれることを確信できれば、義眼台を思い通りに包むことができるフラップを作成しておくほうが利点が多いと思われる。

これにより4つの強膜フラップが作成される。特に視神経を切り離すと、著しく強膜フラップの可動性が増して、容易に前方に牽引できるようになるのに気づくはずである。

まず上下フラップを確認する。この上下フラップの重なりは、少なくとも2-3mm必要である。しかもそれは鑷子などで強い牽引をかけられていない状態で重なっている必要がある。
眼窩内組織を十分展開し、術者にとって義眼台を最大限深部に挿入したと思われる状態でもこのフラップが余裕をもって重ねられないのであれば、少し小さな義眼台を選びなおす必要がある。牽引をかけてフラップを縫合しても、異物はいずれ脱出してくることになる。
上下左右のフラップが十分に重なることを確認したら、まず左右のフラップを縫合する。

さらにその前で上下のフラップを縫合する。
縫合は端々縫合で、2列行う。3針を2列行うことを目指す。斜め方向に脆弱な部分ができた場合は、適宜縫合して、義眼台が露出しないようにする。

その他 手術のポイント

3Layers, No tension
が決め手である。それをしなければ義眼台は容易に脱出するであろう。
縫合はダクロン糸でマットレス縫合する。
強膜フラップを縫合後、さらにテノンを十分に引っ張り出してきて縫合。一緒に結膜を縫合しても構わない。デキソン糸で行う。
ぶどう膜を完全に除去するのは言うまでもない。
出血は、視神経の部分と毛様動脈の穿通部程度である。いずれもバイポーラーで焼くことができる。
ぶどう膜を取ってしまえば何の問題もないため、眼球内容が出て来たら急いで全部取り去ることである。

アフターケア

通常、透明で真ん中に穴の開いた有窓義眼を術直後に入れる。
それがない場合は、シムコに使うような2mm径のシリコーンチューブを輪にして円蓋部に入れるとよい。(ビデオ参照)
これにより円蓋部が収縮するのを防ぐ。
義眼台を入れた場合、特に中年女性では2日間くらい吐き気を訴えて食事ができない場合がある。
点滴はつないだままにしておくと良い。

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