眼形成手術手技 動画説明【眼窩下壁骨折】

経皮的眼窩下壁骨折整復術

下眼瞼睫毛下にデザインし、皮下、眼窩下縁に局注する。
皮膚切開して瞼縁方向に剥離し、下眼窩縁に沿って展開する。
このとき、剥離は眼輪筋と眼窩脂肪の間のseptumに沿って行う。
眼窩下縁を露出した状態でも眼窩脂肪がおさまっている。
眼窩下縁の骨膜を切開し、5-0ナイロン糸をかけて牽引して下壁を展開。
まずは耳側を剥離して下眼窩裂まで至り、糸つきの小綿をはさんでおく。
次に骨折線を確認し、陥頓した脂肪織を鋭匙で骨から剥離する。
眼窩内組織を整復すると、向こうに上顎洞の骨が見える。骨折の最深部まで眼窩内組織を整復すること。
0.5mm厚シリコーンプレートにdrainageの孔をあけ、最深部にひっかかるように挿入。眼球運動に抵抗がなくなった。
有孔性の人工骨であるアパセラムに抗生剤入りの生食を液空気置換して浸透させ、骨折線に合うようにペアンで成型する。最深部は骨折線にはぴったり合わないため、シリコーンプレートだけしっかりとひっかけた。
上顎洞に変位した骨は拾い上げられなかったので放置。
上顎洞の鼻側に蝶形骨洞が開放されたため、サージセルをつめた。
アパセラムの3辺を成型すると、前縁はしっかり合うが鼻側がグラグラするためサージセルとボルフィールで固定した。
骨膜を6-0ナイロン糸で縫合し、眼輪筋を元に戻して皮膚を7-0ポリプロピレン糸で縫合して終了。
術後は小さい保冷剤で2日間冷却した。圧迫眼帯はせず、当日も何度か光覚を確認。腫脹はごく軽度に抑えられたと考えられる。

経結膜的眼窩下壁骨折整復術

質疑応答

白い綿のようなものは何ですか

サージセルというもので、止血剤です。

【商品名】 サージセル・アブソーバブル・ヘモスタット ( Surgicel )
【一般名】 酸化セルロース ( oxidized cellulose )
【適応症】 1.各種手術時の止血及び創腔充填
【用法用量】 1.通常,出血創面に適当量を直接適用するか,創腔に充填する。

糸つきの小綿は

ベンシーツという、脳神経外科用で手術の際に使用するシートです。
短繊維の脱落がほとんどなく、不純物を含みません。

液体のりは

ボルヒールという生体のりです。 

〔作用機序〕
血液凝固の最終段階を利用した生理的組織接着剤。含有するフィブリノゲンはトロンビンの作用により可溶性フィブリン塊となり、さらにカルシウムイオン存在下でトロンビンにより活性化された血液凝固第XIII因子により物理的強度をもった尿素不溶性の安定なフィブリン塊となり、組織を接着・閉鎖する.この安定化したフィブリン塊内で、線維芽細胞が増殖し、膠原線維や肉芽基質成分が産生され、組織修復を経て治癒に至る。

顎洞に落ちた骨は大丈夫なんですか

いずれ吸収されると思います。特に問題ありません。もし拾うことができたなら、最深部の骨折縁に乗せて、再建の助けにしていたことでしょう。

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