
診療理念 ― 保険診療を続ける理由
当院の診療に対する考え方を、率直に記します。収入の面では不利であっても、なぜ保険診療を続けるのか。その理由を、できるだけ正直にお伝えします。
| 1.患者さんお一人おひとりに向き合うこと
手術を受けにいらっしゃる方は、機能的な障害に長く悩み、危険性も理解したうえで、手術を受けるという決断をして来院されます。診察室でお会いすると、 そこに至るまでの経緯が伝わってきます。
困っている方に高額な費用を示し、「これを払わなければ十分に治してもらえないのではないか」という不安から支払いを促すこと――私には、それができません。医療において、患者さんの不安は弱みであって、商機ととらえるべきではないと考えているからです。
私自身は、治療にたずさわれること自体に深い意義を感じています。それで十分だと思っています。
| 2.だから、保険診療を続けます
同じ手術であっても、保険で治療できるものは保険で行います。保険が適用される眼瞼下垂などの手術を、高額な自費診療へ誘導することはいたしません。
治療の質が支払額で左右される、という構図そのものを、私は受け入れられないのです。当院では、年齢・性別・費用に関わらず、すべての患者さんに等しく丁寧に手術します。余計な検査料も徴収しません。
高額な費用をいただかずに運営できているのは、設備や手順を効率化し、最小限の人数で診療しているからでもあります。むだのない体制を保つことで、費用を抑えながら質を守っています。
| 3.自費診療が広がる時代の中で
診療報酬は改定のたびに、実質的には下げられていきます。保険診療で手術を続けることは、年々厳しくなっているのが実情です。私の経験数であれば、いまの何倍もの金額を設定してもおかしくない、と言われることもあります。
それでも、保険でできることは保険で行う方針を、私が医師を続けるあいだは変えないつもりで す。時代に合わないのかもしれません。それでも、これが私の選んだ医療です。
| 4.自費診療をおこなうとき
当院も、自費診療をまったく行わないわけではありません。ただし自費でお受けするのは、機能的問題があるが保険適用には軽すぎるものの治療や、美容外科手術の合併症でひどく眼に傷がつくものに限られます。
軽度の問題や見かけに対する手術を、皆さまの税金で支えられている公的医療保険でまかなうべきではない、と私は考えています。ですから、見た目をより整えるための微細な修正など、医学的な必要が乏しいものは、受けるとしたら自費でお引き受けします。保険が効かないというだけなので同様の手術の10割負担となります。
保険適用かどうかは公的な審査機関が写真を見るなどして判定するもので、患者さんの訴えの程度や性別や職業など個別の事情は考慮されにくいものです。形の細かな修正や、他院で保険診療で受けられた手術の修正については、保険診療でお受けできるかどうかを公的な基準に照らし合わせて一例ごとに判断いたします。なお、全くの美容目的のものや美容外科で受けた手術によって生じた問題については、自費でもお引き受けできません。
これらは、治るという保証を簡単には申し上げられない、難しい治療です。自費であるぶん、ご期待も大きくなります。だからこそ、できること・できないことを正直にお伝えしたうえで、誠実に取り組みます。
| 5. 違うのは「やり方」ではなく「考え方」です
自費診療を選ぶ医師を、否定するつもりはありません。それぞれのお考えがあってのことだと思います。ただ、当院はまったく異なる考え方で診療している、ということだけは知っておいていただきたいのです。
| 6. だからこそ、お願いがあります
よい治療は、患者さんご自身が納得して選ぶことから始まります。これは医療の基本です。「切るかどうかを先生が決めてください」ではなく、ご自分の状態と選択肢を理解したうえで決めていただきたいのです。判断に必要な情報は、私が責任をもってお示しします。
当院は少人数で診療しております。ご来院の際は、ご自分でできることはご自分でしていただき、ご用件は要点を中心にお伝えいただけますと助かります。スタッフが手を止めずに済むことの積み重ねが、お待ち時間の短縮と、この診療体制の維持につながります。
そのために、当院のウェブサイトと動画には、お伝えすべきことをできる限り記しています。ご来院の前に目を通していただくことが、限られた診療時間と医療資源を生かし、お互いの信頼を築く第一歩になります。
当院の考え方にご理解をいただけますと幸いです。
形・仕上がりについての具体的な方針は「仕上がり・形のご希望について」をご覧ください。
